こんにちは。つぐシン広報の谷岡紀子です。
つぐシン公式サイトでは各種SNSと連動しながら、会員企業・個人を紹介するシリーズ記事を連載していきます。
第2回は、一般社団法人TSUGU新温泉の理事でもあり、つぐシン会員でもある「有限会社清美社」の代表取締役 西村慎太郎さんにインタビューしました。

新温泉町の環境保全を担う「有限会社清美社」の三代目社長を務める西村さんに、地域企業の歩みと新温泉町の魅力、そして地域活性化への取り組みについてお話を伺いました。昭和30年代から続く家業を守りながら、YouTube活用まで幅広く挑戦する西村さんの姿から、新温泉町の地域企業の魅力と可能性が見えてきます。
三代にわたる環境保全の歩み
清美社は昭和30年代に西村太一氏(初代)が鳥取市内で浄化槽やゴミ収集の仕事を始めたのが始まりです。昭和40年代に現在の新温泉町に移住し、二代目の一彦氏が浄化槽から下水道へと事業をシフト。現在は三代目の西村慎太郎さんが約50名の従業員とともに、ゴミ収集、浄化槽、下水道工事など環境保全に関わる業務を展開しています。





ーー清美社さんの経営理念といいますか、一番大事にされていることを教えてください。

この仕事はインフラの維持に直結しています。コンプライアンスを遵守し、法令に則った仕事を行うことで、地域の生活を支えています。ミスが命や生活に影響するため、社員には責任とプライドをもって業務を遂行してほしいと常に伝えています。
地元愛と新温泉町の自然の魅力
幼少期から新温泉町で育った西村さんは、地域の自然環境への深い愛着を持っています。
ーー新温泉町でどんな子供時代を過ごされていましたか?清美社さんの本社のすぐそばには川がありますね。



新温泉町は自然が豊かで、食べ物やアウトドアが魅力です。子どもの頃は川や海、山で遊んでいました。高校の時も浜高の裏の海辺へ、よくふらっと抜け出して釣りに行っていました笑
新温泉町は湯村温泉や浜坂温泉、七釜温泉など、温泉に恵まれ豊かな自然資源があります。清美社では観光協会や町の依頼を受け、タンク車に温泉のお湯を積んで足湯としてイベントに提供するなど、地域振興にも一役買っています。


Q.マラソン大会やホタルイカ祭りなどに足湯を提供されていますね。湯村温泉の活用についてお聞かせください。



湯村の温泉は素晴らしい資源です。条例による制約はありますが、もっと自由に活用できる仕組みができれば、新温泉町の魅力をさらに高められるでしょう。
清美社が求める人材と新温泉町の未来
清美社では従業員の大半が新温泉町や豊岡、香住から通勤しており、地元密着の採用を重視しています。しかし、高卒・新卒の求人を出していても、多くの若者が神戸や大阪での就職を選ぶ現状があります。
ーー清美社さんではどんな人材を求められていますか?



地元に働き先の選択肢の一つとして選んでもらえれば嬉しいですね。採用では、探究心があり物事の原因や背景を追求する姿勢を持った人材を重視しています。また、特殊な車両の運転など、「車が好き!メカが好き!」という車や機械に対する愛着があり丁寧に扱える人が向いていると感じています。
ーー社内コミュニケーションには何かツールを使われていますか?災害時の対応策は何か準備されていますか?



災害時の対応マニュアルは整備していますが、実際の現場では状況に合わせた柔軟な対応が求められます。そのためにもLINE WORKS等デジタルツールを活用し、安否確認なども効率化を目指しています
現場の技術力と誠実な対応を大事にしながら、業務効率化のためのツール導入も行なっています。社内コミュニケーションにはLINE WORKSを導入し、業務マニュアルや資料のアップロードなどデジタル化も推進。先代から培った現場の対応力を大切にしながら、革新にも取り組む姿勢が印象的です。



子どもの数が減少している現実はありますが、外の世界で経験を積んでスキルを身につけ、起業なども視野に入れてほしいと思います。若者が稼げて、かつ新温泉町を誇りに思えるような街づくりが大切です
清美社YouTubeチャンネルで企業の情報発信
約1年前から始めたYouTubeでの情報発信は、西村さん自身が撮影・編集を担当。会社や事業内容を知ってもらうための広報活動として効果を上げています。
YouTubeは新温泉町商工会青年部の仲間から勧められたことがきっかけで始められたそう。清美社YouTubeチャンネルは、動画投稿数65本、登録者数は875人と着実に伸びています。
清美社チャンネル:https://www.youtube.com/channel/UC6qVpmI6Em3R4GDgrvsACjg
ーーYouTubeの動画撮影・編集は全部お一人でされているんですか?



現場の撮影を通じて、風景だけでなく社員が働く様子などのリアルなシーンも積極的に発信しています。YouTubeを通じた問い合わせも増えています。
つぐシン、商工会青年部など異業種連携で地域を活性化
西村さんは商工会青年部に参加され、私たちの「一般社団法人TSUGU新温泉」へも設立時理事として参加し、異業種間の交流を深めながら地域振興活動に積極的に従事されています。
商工会青年部の活動ではタイムカプセルイベントを実施。小学校卒業時にタイムカプセルを多目的ホールにモニュメントとして設置し、成人式で開封するという参加者感涙・感動の記念イベントとなっています。


ーーつぐシンに参加されるきっかけや経緯を教えてください。



つぐシンへは、最初は上島さんの勧誘で参加しましたが、企業としての危機感、生産労働人口の減少、大企業に比べた社員教育の仕組みの不足など、地域企業共通の課題を感じていました。清美社でも社労士の先生と連携をとりつつ、職場環境の改善や人事課題の解決に向けて取り組んでいます。
ーーつぐシンでやっていきたことを教えてください。



つぐシンでは、地域全体で協力し、働く人を増やし、誇りを持てる仕組みを作りたい。複数企業が共同で合同入社式や研修を実施し、地域の人手不足に取り組む意義は大きいと思います。
愛猫「にゃんぷー」と趣味の車へのこだわり
西村さんはご自宅で猫の「にゃんぷー」さんを飼われています。にゃんぷーさんは清美社の事務所で社員さんをほっこりさせてくれる「会社猫」として活躍されています。






西村さんは自然やアウトドア、釣りなどの趣味をお持ちですが、車への愛も深いとのこと。
特に清美社の業務で使われる特殊車両へのこだわりもお持ち。
湯村温泉の温泉むすめキャラクターの湯村千代さんとコラボしたパッカー車も制作されています。


インタビューを終えて
清美社の取り組みからは、地域企業が単なる事業者としてだけではなく、地域の未来を担っていると「地域企業の役割と責任」を強く感じました。西村さんの新温泉町への深い愛着と誇りは、次世代の育成や企業間連携に取り組む姿勢へと現れています。
若い人がしっかり稼げて生き生きと活躍できる町でありたい。西村さんは新温泉町の若い世代への熱いエールを送っています。



この町の豊かな自然と温泉、そして人々の温かさが大好きです。これからも地域と共に歩み、環境保全を通じて新温泉町の魅力を高めていきたいと思います。
新温泉町での就職を考える方、地域社会への貢献に興味のある方は、清美社の取り組みにぜひご注目ください。

